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記事 - 20 4月، 2024

クルド人に進展なし

クルド人はイラク戦争で敗北し、何らの成果も得なかった。

 

イラク戦争でクルド人は何を手に入れただろうか。皆無だ。唯一得たものと言えば、占領勢力を迎え入れ、占領者が任命した新しい支配者の頬に植え込むようなキスをしたくらいだ。

 

さらに彼らは一層の緊張状態を招き入れ、占領を擁護する売国者となった。クルド人の状況は平行線どころか、倫理的かつ実質的に悪化の途をたどっている。

 

我々は、クルド人が歴史の劇的な瞬間に台頭した好機を掴み取ることを期待した。ベルリンの壁の崩壊や第二次世界大戦における枢軸国の敗北と連合国の勝利で生まれた好機を掴み取ったユダヤ人の例に見習うべきだったのだ。

 

数世紀にわたり圧制および寸断されてきたクルド人に希望を与えるべく、クルド国家の建国宣言をすべきだったのだ。しかし、何も起こらなかった。何が新しくなったのか?何を得たのか?皆無だ。クルド人は依然として、中東地域の全諸国において二級または三級市民でしかない。

 

現在、イラク政権にホシャル・ジバリ外相が就任していることに騙されてはいけない。前イラク首相のヌルエルディン・マームード将官とアーメッド・ババンも、両者ともにクルド人だ。クルド人は以前、公共事業、輸送、内政、司法と金融分野におけるポートフォリオを有していた。バクル・シドキはかつて、イラク軍の参謀長だったこともある。

 

フセイン・ファウジ将官とアミン・ザキ将官も同職務を遂行したことがある。かつて、公務員として働くクルド人の割合はイラク全土で25%、クルド人地区では97%だった。クルド人は、同地域に自治議会と政府も確立していた。

 

スライマーニーヤ県などの地方行政地区における公用語はアラブ語とクルド語だった。クルド人地域の初等および中等学校において第一指導言語として使用されたのはクルド語で、アラブ語は第二言語であった。これはすべて、60年代イラクの状況である。

 

同地域を揺るがした重大な事件の最中、煙と灰の中からクルド国家が誕生することが期待されていた。この国が、その悲劇的な歴史を構成する虐待、拷問、殺人から、クルド人を救出および保護してくれるのだと。

 

しかし我々は、同様の聞きなれた痛ましいフレーズを繰り返すしかなかった。クルド人に進展は見られず、革命、犠牲、反乱の甲斐なく、歴史的な好機を見逃すに終わった・・・。

 

これまでと同様、クルド人は依然としてイラクに居住している。イラク全域を破壊する武力行為に参加することで、彼らは何を得たのか?他にも重要な疑問がある。イラク以外に住むクルド人はいないのか?事実、クルド人の大半はイラク国外に住んでいる。イラクに住むのは少数派だ。何故、イラク国外に住むクルド人の大半の運命は無視され、イラクに住む少数派に焦点が当てられているのか。

 

クルド人の大義を操作するのは誰か、という疑問も残る。数千もの犠牲者の血を飲むのは誰か?買手と売り手は、どんな見返りを受けているのか?

 

これが、ウバイド・アラー・アルナーリ、バドル・カーン、ナクシャバンディー、シェハブ・エルディン、シェイフ・サイード、シャカック、イフサン・ヌリ、アーマド・バルザーニ、ムスタファ・バルザーニの反乱で流された無実なクルド人の血の悲惨な結末である。

 

歴史的な転機の瞬間にあるという者もいるだろう。圧制者や迫害者から人々を解放することが、彼らの目的であると主張する者もいる。クルド人ほど迫害を経験する民族はいない。

 

クルド人の国ほどの抑制を経験している国家はない。それではなぜ、こうした重大な疑問に二重基準が存在するのか。独立と統合の宣言を望むクルド国家の独立を支援する国が一つもないのか?アラブ、ペルシャ、トルコの友好的な隣国としての建国を目指し、剣をさやに収めようとしないのか?

 

クルド人を騙したのは誰か?誰が彼らの大義を操作しているのか?彼らを売り払ったのは誰か?

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